ねこえびすの名著決定版

野良ネコ音吉の勝手に決定「名著」ブログ

カリール・ジブラン『預言者』

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 カリール・ジブラン(ハリール・ジブラーン)という詩人をご存知でしょうか。

 ジブランは1883年にレバノンで生まれ、1931年にニューヨークで没した詩人にして画家・彫刻家で、詩人としては「20世紀のウイリアム・ブレイク」と称されるほど高い評価を受けています。

 今回紹介する『預言者(The Prophet)』は1923年に英語で発表された詩集で、美智子上皇后の愛読書としても知られています。

 

あなたは語る。思考の平和に在ることを止めるときに。

そして、もはや心の孤独にとどまり切れぬとき、あなたは唇に生きることになる。音声は気晴らし、気慰み。

多くを語るとき、思考は半ば殺されたも同じ。

なぜなら、思考は空間に生きる鳥で、言葉の籠のなかでは、その翼を拡げても飛べはしないのです。

 

カリール・ジブラン著 佐久間彪訳『預言者』(至光社) p.78 より

 

You talk when you cease to be at peace with your thoughts;

And when you can no longer dwell in the solitude of your heart you live in your lips, and sound is a diversion and a pastime.

And in much of your talking, thinking is half murdered.

For thought is a bird of space, that in a cage of words may indeed unfold its wings but cannot fly.